シルヴィアは、高級レストランのマネージャー。
容姿は美しく、部下たちからの信頼もある、まさにデキる女。
だがその一方で、簡単に行きずりの男と寝たり、自傷行為を行ったり、
裏の顔とでも言うべき面も持ち合わせている。
それは、シルヴィアの過去に関係していた。
シルヴィアは10代の頃、ニューメキシコの田舎に家族と住んでいた。
両親と弟妹と、平凡だが幸せな家庭だった。
だが、ある日シルヴィアは気づいてしまった。
母親のジーナが浮気をしていることを。
隣町の同じく家庭を持った男と、
町と町の堺にある古いトレーラーハウスで情事を繰り返していたのだ。
しかも、そのトレーラーハウスで爆発事故が起き、
そこにいたジーナと、相手の男は死んでしまった。
ショックを受ける家族。
そして、シルヴィアの前に、母親の相手だった男の息子が現れて……。
『バベル』の脚本家ギジェルモ・アリアガの初監督作品。
正直『バベル』のセンスはいまいちわからなかったが、
これは観た人の評価もよさそうだったので、思いきって鑑賞することにした。
とにかく、話の構成が複雑だ。
時間、場所がバラバラにどんどん映し出される。
誰が誰で、どのシーンがどこにつながるのか、
ぼーっとしてると置いていかれる感じ。
オレは、最初に複雑だという情報を知っていたので、それほど苦労しなかったが、
そういうのを気にせずに観に行くと、「??」ということになりかねない。
ただ、理解してみればストーリーは本当に単純なもんで、
そこらへんは確かに『バベル』臭がするなぁと。
ちょっと芸術的に作ってみましたけど、みたいな感じで、
テクニックで誤魔化しているという印象は受ける。
けれど、決して映画としてダメなわけではなく、
家族の崩壊、過去の罪など重たいテーマを、
たっぷり、集中力をもって見せてくれるという点で非常に評価できる。
キャッチコピーの「捨てたはずの過去が追いかけてくる」というのも、
いい年になったオレとしては、響くものがあった。
相変わらずシャーリーズ・セロンも美しく、
また、ラストの悲しみの中にも希望が持てる感じもちょうどよい。
決して、シャーリーズ・セロンのおっぱいを評価しているわけじゃないよ。
本当だよ。
大人の佳作作品だね。